現地リポート
カメルーン北西地区豚畜産農家協同組合共同体
(NOWEPFA -COOP BOD)
有機肥料の準備と使用方法のトレーニング
(ボカシ)
作成/提出 -
アトゥンバ・テグウィ・タイトゥス
プロジェクト・コーディネーター
NOWEPFA COOP- BOD - カメルーン
P O Box 729 - Bamenda
http//nowepifac.com
mobilelivestock1995@gmail.com
はじめに:
このトレーニングは、様々な農業・畜産業に携わる熱心な農家のグループである「チャリティー混合農業グループ」の招待を受けて、カメルーン北西養豚農家協同組合が企画しました。
初日の研修後、彼らはこの養豚組合の活動に非常に興味を持ち、すぐに正会員として組合に登録しました。彼らはグループの代表者と約束した通り、2019年9月に株式資本を投入する予定です。
協同組合に招待するきっかけとなったのは、以前に協同組合が開催したボカシ(有機肥料)作りのトレーニング・ワークショップに参加したメンバーの一人、ムバク・ウォルターズ氏のアイデアであったことを明記しておきます。
この技術の知恵は、養豚組合のプロジェクトコーディネーターであるアトゥンバ・テグウィ・タイトゥスがAsian Rural Institute(ARI=アジア学院)から得た知識です。トレーニングワークショップは、2019年7月19日(金)に、カメルーン北西部のメザム市、バメンダ2区のマンコン村のンタトゥル地区の近隣で行われました。
トレーニング前の準備活動:
これまでの研修でもそうでしたが、研修当日までにもみ殻やトウモロコシの粉を購入し、土着の微生物(IMO)の培養液やもみ殻の炭を準備します。これは通常、受益者である農家から遠くない場所で行われ、彼らも開始時や終了時に活動を目撃することができます。
今回のトレーニングでは、2019年7月12日(金)に、冷ましておいた炊き込みご飯をコップ半分ほど、ンタトゥル地区にあるチャリティ混合農業グループの農地の近くにある自然林の中に埋めました。1週間後の研修予定日には、メンバーが、炊いた米を入れた皿を、IMOを入れた土から取り除く作業に立ち会います(以下の写真8と9を参照)。
米のもみ殻の炭焼きには、ARI=アジア学院のモデルを参考に、協同組合が製作したバーナーを使用し、(写真1)そのバーナーで火をつけた後、写真2、3のようにもみ殻をふりかけていきます。
2019年7月18日(木)の夜にずっと燃やし続け、朝になってみると、写真4のような状態になっていました。写真5は、早く冷やすために炭を広げて撒いた様子です。写真6はトレーニング会場で使用するためのバケツいっぱいの炭です。
米もみ殻の炭の準備:
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培養IMO土からの除去
トレーニング日:2019年7月19日(金):
前述したように、朝一番にIMOを土壌から取り除く作業を行いました(写真8、9、自然林にて)。トレーニングを始める前に祈りを捧げ(写真10)、政治危機的の、遠くから銃声が聞こえる状況の中で活動を行っているため、神様のご加護を願いました。 私たちの安全は確保されるかもしれないと思える要素は、町の中心部から少し離れた、政府軍と分離主義者との対立が頻繁に起こる危険地帯の外れにいるという事実だけしかありませんでした。
トレーニング参加者の名前:
練習帳とペンを使って学習内容を記録する農家もあれば、チャリティ混合農家グループの代表者のように、アンドロイドスマートフォンを使って指導内容を記録したり、最初から最後までのプロセスを写真に撮ったりする人もいました。
私たちはまず、協同組合のチームをホストグループのメンバーに紹介しました。協同組合の理事長であるニジュー・チャールズ氏、ネー・マルティナ女氏、ンワンチャン・ジャスティス氏、そしてプロジェクト・コーディネーター兼トレーナーのアトゥンバ・T・タイトゥス氏です。協同組合理事長は、冒頭で農家の人たちに挨拶し、銃声が響く中、危険を冒してまでワークショップに参加してくれたことに感謝しました。
彼はこのトレーニングに費やした時間を後悔させないことを約束してくれました。また、今後も同様のトレーニングを実施する予定であること、特に現在わが国が経験しているような危機的状況や苦難の時には、食料安全保障のために闘う必要があることを述べました。
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写真11、12のように、ボカシ(肥料)作りに必要なすべての材料が正面に並べられ、その紹介から始まりました。
材料は、手押し車一杯の土、バケツ(20リットル)のトウモロコシ粉、バケツのもみ殻炭、バケツの乾燥した豚の糞(他の動物の糞に比べて窒素、リン酸、カリウムの含有量(栄養価)が高いので、家禽の糞があればそれを使うことをお勧めします)、IMO、水である。IMOの培養液の黒い斑点は悪い生物なので、取り除いて廃棄し、白カビ(IMO)だけが使用可能です。
写真13のように、皿の中の黒い部分を消していきます。写真14のように、混合の過程のなかで6つの材料について適切な知識を持つことが大切だと、ネー・マルティナさんは参加者に呼びかけていました。
材料をすべて土に流し込み、鋤を使ってしっかりと混ぜ合わせながら、水をかけ、手で土を握って水分量を調べました。
握ってみて塊ができれば、水分量は問題ありません。その後、2回3回と続けていくと、均一に混ざるようになります。写真15、16参照。
撹拌プロセスの仕上げに、光が入らないようにしつつ酸素が通るように上を覆い、下で起きているIMOの発酵過程で熱によって放出される水分を蒸発させるようにします。今回のトレーニングでは、動物の飼料袋を2重にして使用しました。
第2段階、混合物の撹拌:
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協同組合からンタトゥルまでは約3kmの道のりであるため、協同組合のチーム全員があと1週間続く日々の撹拌プロセスに立ち会うことはできず、協同組合のトレーナー兼プロジェクトコーディネーターが毎日撹拌作業に立ち会いました。
写真18はトレーニングの翌日、7月21日にIMOを増やした様子、写真19はチャリティ混合農家グループのメンバーが撹拌している様子です。
写真18、19のように、撹拌前と撹拌中の土のふもとの部分から水蒸気が上がっているのがはっきりと見えます。 7月23日、IMOの量は3倍に増え、熱も同様に激的に増加しました(写真20、21)。
この日を境に、熱の発生やIMOの生産量が減少し、7月25日には冷却が見られ、混合物の成熟・準備が整ったことを示しています。グループのメンバーは合同で現地に行き、床にボカシの混合物を広げて干しました。
その後、推奨されているように、袋に入れられて準備され、もみ殻の炭とともに植え付け時に使用できるようにしておきました。
写真22と23: 7月23日に撹拌を行ったチームの様子です。結果、非常にエキサイティングだったと言える、チャリティ混成農家グループのための別の即時のプロジェクトがその場で生まれました。
彼らの農場からそれほど遠くない場所で、彼らが自分たちでもみ殻炭を作るためのバーナーを作るのを協同組合プロジェクトのコーディネーター兼トレーナーが手伝ってくれるよう、彼らは材料を提供してくれました。
2時間弱ほどでそれは完成し、メンバーは自分たちの仕事道具/設備の製作を祝うために、小さなパーティーを開催することにしました。
写真24、25は、バーナーの製作風景です。亜鉛板(アルミ箔)で煙管を作っています。写真26は、製作中にゲストをもてなすためにワインを開けているところです。
写真27は、ムバク・ウォルター氏の奥さんがゲストをもてなすために用意した新鮮なトウモロコシを食べているところです。写真28、29、30はお祝いの様子です。養豚組合の健康と繁栄のためにワインを投げて、その装置は洗礼を受け、「Modern Ankara モダン・アンカラ」と名付けられました。
熱帯地方の一般的な農場では、干し草を何層か折りたたんで土をかぶせ、下で火を灯すと、上には土、下には炭が見えて植え付けの準備ができている状態になり、現地ではそれを「アンカラ」と呼ばれています。
この演習の2日後、メンバーは地元の精米所からもみ殻を買ってきて、自分たちでもみ殻炭を作り、同じ日に、次のボカシ作りの作業に備えて、別のIMOの培養のために炊いた米を埋めました。
そのうちの一人は、養豚組合が行った研修で農家に知識を伝える代わりに、ボカシでお金を稼いでいる人を知っていると言いました。 彼らは皆、研修を実施した協同組合の姿勢に感謝しています。
移動家畜サービス:
(下記写真31,32,33,34参照)
メンバーは2019年の乾季のトウモロコシと豆の栽培に参加しています。鍬入れの際には、前年のキャッサバやジャガイモを収穫していました。下の写真に見える杭は、インゲン豆用のものです。植え付け、鍬入れ、杭打ちが同時に行われています。
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その他、養豚協同組合の興味深い人的投資活動:
下の写真にあるように、協同組合プロジェクトのコーディネーターは、15年以上にわたってムボマッサ地区評議会の事務局長を務め、協同組合の本部があるムボマッサ地区の3つの異なる地区の首長と一緒にその役割を果たしてきました。
正確に言うと、協同組合本部はゾーン3にあります。この協同組合のプロジェクト・コーディネーターは、ムボマッサ・ゾーン3のカウンセラーとしての立場から、分離主義者(独立派武装組織)がこの社会的政治危機の間、月曜日をゴーストタウンの日としていることを利用して、月曜日にクォーター(地域)のメンバー全員を集めて、周辺地域の道路の清掃を行いました。
そのため、(月曜は)すべてのビジネス施設は閉鎖され、人々は家に閉じこもっています。
写真35,36,37,38はムボマッサ地域間道路でのコミュニティワークの様子です。この作業はすでに何度か月曜日に行われており、今では以前よりも良い道路ができています。
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財務報告:
ボカシ作りのトレーニングワークショップは、協同組合と受益者グループであるチャリティ混成農家グループが一部スポンサーとなって実施しました。
コメント:
研修当日の朝、近隣で銃声が聞こえるなど、不安な状況が続いたため、今回の研修の参加者は期待通りではありませんでした。 今後必要かつ実行可能と判断された場合には、別のグループでのトレーニングを予定しています。 今回、何らかの理由で参加できなかった人には、次回のトレーニングに参加できるよう招待されるでしょう。
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