現地リポート
「ジョーカからのこぶたプロジェクト」
"A Pig Van Djouke Project"
2016年 活動/会計報告
2016年のテーマ: 「他者にチャンスを与え、神を賛美する」

実行期間: 2016年3月11日-30日
「私たちが共に生き、互いの成長を支え合うことができますように」
「あなたは子豚と餌を手に入れるかもしれません。しかし、このプロジェクトを完成させるためにはさらに祈りを捧げ、たゆまぬ努力を続けなければなりません。ジョーカが我々のコミュニティで彼女のビジョンを推進できるよう、神が彼女に健康と知恵を授けてくださることを願い、信じています。」作成および提出者-
カメルーン北西地区豚農家共同組合(NOWEPIFAC)
プロジェクトコーディネーター
アトゥンバ・タイトゥス・テグウィ
P O Box 729 - Bamenda
http//Nowepifac.com
nowepifac2015nijp@gmail.com
はじめに
「ジョーカからのこぶたプロジェクト」をさらに前進させることを願いつつ、プロジェクト支援者ジョーカの16歳の誕生日に活動を開始するために、2016年に活動の場をバティボ地区に拡大し、プロジェクトコーディネーターの村であるグーザンを選出しました。このレポートでは2016年3月にジョーカから送られた400ユーロが2016年の彼女の夢の実現のためにカメルーンでどのように有効に使われたのかを報告致します。
プロジェクト実行のステップ



2016年3月11日、「プロジェクト希望(Project Hope)」のピーター・リーアデム氏とオランダ人の友人2名はカメルーン北西地区豚農家共同組合(NOWEPIFAC)のプロジェクトコーディネーターのもとを訪ね、プロジェクト資金の入ったジョーカからの封筒を手渡しました。
リーアデム氏はモバイル養豚農場を訪問し、ジンニコム病院のシスターローズマリーと共に「プロジェクト希望」のメンバーのための研修会を企画・立案するため、カメルーン人の豚の専門家としてタイトゥス氏をジンニコムへ招待しました。

※POG(Passing on the Gift パッシングオンザギフト)=「賜物の受け渡し」、寄付された仔豚を受け取った農家が育て繁殖させ、次の農家に渡していき集落全体の繁栄としていこうという仕組みの名前の略称です。


Right: POGの受け渡しの日まで飼育されました
2016年3月17日バウォックにて、7名の受益者のうちの4名はプロジェクトコーディネーターに彼らのPOG子豚を引き渡しました。プロジェクトコーディネーターはそれらの子豚をバメンダへ運び、待機フェンス内で保管しました。他の3名の受益者は一人は豚が死んだと訴え、一人は村から外へ移動しており、3人目の女性は財政的要求を満たすために彼女の豚を売ったので、豚を買って引き渡すと話しました。POGの義務を順守するために最長で1週間の期間が3名全員に与えられました。モバイル養豚農場では子豚に毎日餌をやりました。残りの3匹の子豚が数日後に加わり、7匹となりました。別の3匹が購入され、バティボ地区の新しいコミュニティのための子豚は合計10匹となりました。



Right: 微量成分の配合
飼料の材料はバメンダ中央市場でまとめ買いされ、マニュアルトラックで購入場所から回収場所へ、その後、自動車で協同組合へと運搬されました。コーン(マイゼ)、大豆および魚粉は協同組合のホールにて手作業で配合するための準備段階として、まず粉砕機で加工されました。協同組合の建屋では、さまざまな飼料成分が比率に応じて計量され、引き渡される子豚にとって完璧にバランスの取れた飼料となるよう配合されました。1袋50キログラムの飼料は小麦ふすま、パームカーネルケーキ(ヤシの殻の練り物)、コーン(マイゼ)、魚粉、大豆、骨粉、ビタミンおよび塩で構成されました。私たちは全部で11袋を配合しました。このうち1袋は我々が子豚の待機期間に使用し、残りの10袋は3月30日に子豚と共に引き渡されることになります。

2016年3月21日、バメンダにて受益者選定のためのミーティングが開催されました。バティボから4名全員のグループ代表とNOWEPIFACのプロジェクト委員会が招待されました。受益者の名前が提示され、彼らには良い住居があり、プロジェクトから提供された飼料が底をついた後も豚を持続的に飼育でき、粗末な飼育状態にはならないという期待が持てるという事実に基づき合意されました。最終的に下記の受益者たちが選出されました。
(男性5名、女性5名)
1.) Mankah Florence
2.) Bacha Stanley Mbah
3.) Atud Alice Abuh
4.) Atah Richard Tebit
5.) Ndebe Napoleon Atud
6.) Tibab Ernest Mbachick
7.) NjeiTebong Clement
8.) Acha Elisabeth Engonwei
9.) Tenye Bridget Anam
10.) Nkuinja Rosaline
(受益者の名前の発音が不明なためそのまま原語表記します)



2016年3月29日、子豚と飼料は公共交通機関を使ってグーザンへ運搬されました。エマニュエル・テピ氏が大きなケージ2つをバメンダ食品市場で購入しました。各ケージには子豚が5匹収容できます。車両に飼料10袋を搭載した後、飼料袋の上に子豚を載せ、紐で固定しました。テピ氏はグーザン村のマーケットスクエアまで運転手に同行し、彼はそこで子豚と飼料を一晩どこに仮置きするのかを決めなければなりませんでした。ケージはすべて擦り切れ、なかには逃げ出そうとする子豚もいたため、その手配は容易なことではありませんでしたが、ともかく彼はなんとかこの困難を乗り越えました。

この日に先立ち、畜産農業省の一部の政府高官や、バティボ地方評議会市長へ招待状が送られました。また、懸案事項への対応のため、当日の議題次第/活動スケジュールも事前に作成・配布されました。この他の重要書類は受益者と立会人に記入および署名してもらうための受益者フォームでした
(付属書に添付のコピー参照)。


当日のスピーカーにはエマニュエル・テピ氏やタイトゥス氏が含まれていました。テピ氏は我々にグーザンへの歓迎を表明しました。タイトゥス氏は出席者全員にこのプロジェクトの経緯やバウォックの人々がグーザンでのこの式典においてなぜ非常に卓越した存在感があるのかについて簡単に説明しました。彼は開催地になぜグーザンが選ばれたのか、また開催日がなぜ3月30日なのかについては詳細に述べました。
ンジンボン・ステファン氏はバメンダのチームの一員で、国立獣医科大学の退役教員で家畜トレーナーですが、受益者を成功へ導くためにいくつかの講義を行いました。プロジェクトコーディネーターも同様に講義をしました。バウォックからの一部の農家たちも自分たちがどのようにして農場を切り盛りし、子豚の引き渡しに繋げたのかについて新しい受益者らに語り、経験を共有しました。


Right:タイトゥス氏によるプロジェクトの経緯説明


Right: ニジュー・チャールズ氏
ニジュー・チャールズ氏が、この式典でここにいる人々全員がこの10名の受益者と協同組合組織との間に結ばれた協定の証人となるように、受益者フォームのコピーをはっきりと大きな声で読み上げました。読み上げた後、彼は受益者全員をフォーム記入に必要なIDカードを持参させ前の方に呼びました。
バティボ地方議会長代表のンゴジョン氏(バティボ地方議会の事務局長)が、すべてのスピーチを聞いた後に立ち上がって感想のスピーチをしてくれました。
彼はオランダの少女ジョーカの意志と活動に感謝し、プロジェクトコーディネーターを通じてこのプロジェクトドナーであるジョーカに特別な感謝と贈る言葉を託しました。また出来るならば、同じ手法でこのバティボ市内にある他の村々も支援してもらいたいという願いも表しました。彼は受益者たちに、来年恩恵を待ち望んでいるほかの人々がいるのだから、受益者協定に記された期間を守ることを怠ってはいけないよと注意しました。
彼は会場の選定を後悔し、次の年はもっと大多数にインパクトを広めるため、バティボタウンセンターでこの活動を実行しようと提案しました。協同組合の議事録秘書ワトー・サミュエルは、この市長の2017年に向けての勧告を重要視して記録に残しました。


Right:ミネピア、グーザンのマーセル氏が電話を受けています。
ハッピーバースデースピーチと写真撮影:-


コーディネーターはそこにいる皆に、ジョーカの16歳の誕生日と、私たちへの誕生日プレゼント以上の価値のあるPOG受け渡しが同時だったため、この2016年3月30日がこのイベントのため選ばれたのだと説明しました。 この愛あるギフトを彼女に感謝するため、3名が、彼女の誕生日パーティがどこで祝われようと、聖霊において私たちみなは彼女とともにいるということを思ってもらうため、また彼女がこの地上で神様の加護を受けながら末永く生きることを願ってスピーチしました。
このハッピーバースデーの集合写真のため集まるとき、すべてのみなさんの顔に幸福感が見られました。
この前面の横断幕にはこう書いてあります。
「ジョーカ、今日16歳になったね! 私たちからハッピーバースデー!」

私たちはミーティングが開かれたホールの前に移動し、それぞれカゴに入った仔豚と飼料が待っているグーザン市場の広場へ100メートルほど歩いて行きました。さあ歓談とスピーチの時間は終わりいよいよ受け渡し実行の時です。


仔豚たちは全頭寄生虫対策の処置がなされ、デキストラン鉄注射やビタミンなどを投与されました。仔豚たちはみな同じではないので、くじの紙が例年どおりニジュー・チャールズによって、1~10の番号がくじに、そして仔豚にも1~10の番号がふられ用意されました。
その番号の紙が混ぜられ地面に投げられ、10名の人々がそれを拾って相当する番号の仔豚のところへ向かいました。その10匹の仔豚たちは、昨年まで逃走の恐れがあったことを考慮され、今回はかごに入れられていました。 この式典のはじめに、神様よりこのプロジェクトの成功がもたらされること、支援をしてくれた方々に祝福があることを願う祈りが、フレデリック・アテー氏により捧げられました。






POG受け渡しの式典の後、その場にいたみんなは軽食を分かち合うためミーティングが開かれたホール前に戻りました。
このイベントの成功のためにいくつかのいろいろなグループから有志で寄付された、何リッターかのアルコール(地産ワイン)と、バウォックの代表団からのひとカゴの食事がこの機会のために持ち込まれました。

プロジェクトコーディネーターともうひとりのプロジェクト委員会のボランティアメンバーは、プロジェクトが支給した飼料が尽きたとき、どのように仔豚が暮らしていてどのように飼料が受益者たちによって配合されているかを見るために、2ヶ月後に受益者たちを訪問せねばなりません。
そのフォローアップスケジュールは、今年2016年の来たる4月の然るべき日に組まれ、その後も2017年のPOGまで守られます。ベストを成し遂げた者、受け渡しのタイミングを遵守した農家は賞を受けることが受益者たちに約束されました。
バウォックでのPOG 評価ミーティング:- 2016年4月6日


グループ代表の全員が出席とはいかなかったこの評価ミーティングで、議論はグーザンでのPOGイベント間に直面した問題や困難、および記録した成功の数々に集中しました。
この評価ミーティングは、通常の月例のグループ代表ミーティングの議題にワンポイント加えられたものに過ぎません。このミーティング中にこのリポートも読まれ、代表たちの採択によって修正されました。
会計明細;-


ドナーより寄付=264,000 セーファーフラン
グループ年会費+メンバーより有志の寄付=43,000 セーファーフラン
困難:-
言及せねばならないのは、受益者選定の期間中、グループ代表(リーダー)だけが適格性を証明するための演習に招かれたということです。この件で数名のメンバーが、リーダーたちだけがひいきされているではないかと抗議し、POGイベント本番でも緊張が高まっていました。
グループリーダーたちが反論するには、これらの私こそが選ばれたと主張する人々は、ミー ティングの出席はまばらで、ただ利益になる何かがすぐそこにあると聞いたので今ここにいるのだと。彼ら幾人かが、年会費は払わない、プロジェクトコーディ ネーターの命令は尊重するがグループリーダーのそれは尊重しないと言っているのは大きな間違いです。
受益者たちが受け取った仔豚が全般的によく世話をされるのを確実にするため、受け渡し後のフォローアップスケジュールを組むことがしばしば必要です。
協調チームとの距離がしばしばその障壁となってしまうので、それゆえ少なくとも2ヶ月ごとに受益者たちと接触するための移動手段が必要です。
総括:-
今年2016年の「ジョーカからのこぶたプロジェクト」は、ひとつの新しいコミュニティで、この協同組合集団の一員となる方法を見つけようと周囲で見ている人々を惹きつけるのに大きな成功をおさめました。受益者のリストに男女のバランスがとれ、若者たちも含まれていることは非常に持続可能性を感じさせます。
グループごとに選ばれた受益者の数は、そのグループ代表に証明されたグループ活動への参加とグループ会員への入会の統計が考慮に入れられているという事実は、明快な手法であることを示しています。機会を与えられた全員が受益者に仔豚を与えるときにおけるくじ引きシステムに満足しています。ここで述べておきたいのは、このプロジェクトの実現のためになされた自由意志の献身がたくさんあるため、すべてのコストや支出が会計報告に記されているわけではないということです。私たちは、今年素晴らしい2016年の締めくくりを迎えられるよう、幾つかのことをして下さった人々を憶え感謝したいです。
またこの素晴らしいイベントへの私たちの招待に応じて下さったグーザンのためのミネピアの代表とバティボ市長に感謝したいと思います。
勧告:-
昨年2015年と同じ勧告に加えて、私たちはこのプロジェクトを他のコミュニティにも拡大することを勧告するものの、同時に指導監督チームによって率いられたフォローアップのプランとスケジュールがなされること、そしてPOG(受け渡し)タイミングを失敗するのを避けるためそれに厳密に従うことをも勧告します。
私たちはまた、支援者がこのフォローアップチームを、訪問コストと通信コストをカバーするために独立した割り当ての予算をとって財政的に支援してくれることを勧告します。なぜならこのチームは当プロジェクトの成功のために重要な存在だからです。
添付資料;- お知らせ/ご招待
カメルーン北西地区豚畜産農家協同組合共同体
(NOWEPIFAC)
お知らせ/ご招待
「ジョーカからのこぶたプロジェクト」をバティボ市へと拡大します。
誰が10袋の50kgの飼料と10匹の仔豚の受益者となるでしょう?
なぜ彼らは最初に恩恵を受けることが出来、どうやって他の人々は受益者になれるでしょう?
NOWEPIFACとは何/誰?何が人々をメンバーとして恩恵を得させる要素となるのでしょう?
NOWEPIFACメンバーになるのに何が必要でしょう?
ジョーカとは誰? いつPOGはカメルーンで実行された?
これらの質問などには来たるバティボ市でのPOGの着手式典でお答えできます。
日時: 2016年3月30日(水)
会場: グーザン市場
時間: 午前10:00より開始
招待者: バティボ市長、バティボのミナダー/ミネピア代表、バウォックとバティボのグループメンバーと代表、2015年の受益者と2016年の受領者(全員NOWEPIFACのユニフォームを着用)
署名:- ………………………………………
管理者


添付資料;- バティボ市グーザン村での「ジョーカからのこぶたプロジェクト」の実行の議事進行表
カメルーン北西地区豚畜産農家協同組合共同体
(NOWEPIFAC)
バティボ市グーザン村での「ジョーカからのこぶたプロジェクト」の実行の議事進行表

添付資料;- 受益者フォームサンプル

カメルーン北西地区豚畜産農家協同組合共同体
(NOWEPIFAC)
「ジョーカからのこぶたプロジェクト」
2016年賜物の受け渡し(Passing on the gift, POG)、受益者フォーム
私、末尾に署名した.................(地域コード) で発行されたナンバー..........(ID番号)のI.D.カードの持ち主である..........................は、
0000年00月00日に、ジョーカからのこぶたプロジェクトのコーディネーターより、他のしかるべき農家の方にもこの賜物を受け渡せるように育て、確実に繁殖させるための一匹のメスの仔豚を受け取りました。
私は、このプロジェクトは私たちのコミュニティ内での養豚農業を促進することをねらいとしていて、それゆえ私は迅速かつ誠実に、2017年の3月に受け渡すというこのPOG(受け渡し)の定められた期日を守るという事実を認識しています。
私はこの取り決めに強要されてサインしたものではなく、それゆえ、もしこのPOGのタイミングが守れない場合私に対して訴訟を起こされることも受け入れます。
受益者署名、: ..........................................................................
この協定の立会人;-
グループ代表の署名 ...............................................................
プロジェクトコーディネーターの署名 ......................................
日付 2016年3月30日 本日より有効 場所 グーザン村にて.
受益者による具体的受け渡しの日 : 2017年 …………..月 ……………..日
注: 私たちの定められたスケジュールをあなたが守れることを願い祈ります、そしてあなたが誠実で迅速であることを私たちは前もって讃えます。感謝しつつ。
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